2013年12月27日金曜日

雑誌「エンジョイ」のわたしの記事:



*もう6年以上になりますか、ニューヨークの日系無料雑誌「Enjoy」に投稿させていただいています。少しずつ、過去分も含めここにのせていきたいと思います。
ーーー2013年12月号ーーーー

12月、今年一年を振り返る時期になりました。私自身、低学年から高学年、大人の方に教える立場として接しつつ、多くのことを学ぶことができました。
一番印象に残ったことは、「その学年、年齢でしておくべきこと」ということをあらためて考えさせられたことです。
低学年のうちは、「勉強」そのものよりも、挨拶、家での手伝い、あえて学習面でいえば、寺をきれいに書く、ノートを丁寧に使う、などでしょう。基本的な生活習慣が優先と感じます。次に、授業中の態度、家での学習環境を整える、ことではないでしょうか。「知識」を身につけさせることだけが勉強ではありません。
「今日は先生にしっかり挨拶ができたね」などと子どもをほめてはいかがでしょう。問題を解けてほめるのはもう少し後にして。また、授業へ集中する練習も低学年のうちにしておきたいです。高学年や中学生になった際大きな助けになるでしょう。
学習面に触れますと、「知識」だけでなく、年齢相応に物事をしっかり言葉で「話し」たり「書い」たりできるのか、ということを重視すべきだと感じます。
低学年、中学年にこのような勉強をしておかないと小学校高学年、中学生以上になって苦労します。語彙を増やしそれを実践するということを小学生のうちにできるだけしておきたいものです。そうすると、高学年になって学ぶ「大人の語彙」を理解しやすくなり、難しい言葉を使ってみたくなります。外国語を理解していく上でもこのことは大きな影響を及ぼします。
「読む書くー話すー聞く」 の授業をしていると、話好きであっても文章を書くとまとまりがついていなかったり、あまり話さない生徒でも文章を書くと意志が発見されたりと興味深いことに出会えます。中学生や高校生で基礎に戻るのは本人のプライドもあり、大変難しいことです。また、高学年で基礎力不足に気づくと焦りも出てきます。小学生のうちに様々な角度から子供たちに接し、力を引き出し伸ばしておきたいと思います。そして高学年には深い少し難しい話題で学べるようにします。
問題を解く、ことに関しても、記号でア、イなどとすませるのではなく、書いて説明すること、できたようにみえてももう少し深く質問を加えてみることなど、基礎力をつける時期にしておきたいものです。
子供たちに、「読書の習慣が子ども時代についていると、後に読まなくなる時期があったとしても、また本の世界に戻りたくなるよ」と話しています。「水泳、自転車、スキー、楽器も小さいときに身につけておけば、しばらく時があいてもできるよ」と話しています。子どものときの財産はなんと大きいことでしょう。
知識面をあえていうならば、漢字に興味を持つ、計算が速い、名前を覚えるのが好きなど、後につながる基礎力作りがあります。ただし、あくまでも、「暗記」に終わらないように。
学年があがってから、基礎に戻ること、真新しいことを始めるのは勇気のいることです。子供たちの状況を見極め、何をしなければならないか考えてください。

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